バックナンバー・ギャラリー 第三室1
想い出の一品 その 1
「円空刻・木っ端佛群像」 P 30 号 1995.07
この作品は、円空の作品のひとつ「木っ端佛」を群像として描き、1996年に公募展で初めて地元の
市展に応募、新人賞とも言える市長賞に匹敵する「岡田文化財団賞」を受賞した作品である。それまで、
審査員の内弟子以外の入賞・入選は難しいとの風評があり、一匹狼的な私の初挑戦にも似た出品には、
周囲の誰も期待してなかっただけに、受賞をよろこんでくれ励ましを受けた作品である。
なによりも、応募事態が初体験であったのに、鑑賞者のひとりから「この作品の前に来て立ちすくんで動け
なくなった。何度も観に来た。このような心に響く絵を描き、心に残る絵を描く人は、一体どんな人?なの
でしょう?」という、感想文が寄せられていた、とあとで関係者から聞かされたときの感激は忘れられない。
「絵はなんのために描くのか」 「どのような絵を描くべきか」を改めて考えさせられ、よし!、残る余生は
墨の絵に賭けようと誓った、きっかけにもなった絵である。(今、母校誠之小学校の玄関に飾って頂いている)。
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