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  想い出の一品 その 4

        

                        「暮   暉」           F 20 号      1997.05

         この絵は、1997年に友人の見舞いに行った帰りの夕暮れ時の木曽川縁を描いたものである。
        親しかった友人が再起できるかどうか、気懸かりな複雑な思いで眺めた風景でもある。もう、その友も今はいない。
        やがては辺りが闇につつまれるであろう、僅かなひとときの輝きが、印象的であった。
         そして、誰もが分け隔てなく一度は迎えるであろう人生の「暮暉」の中に、感無量でしばし呆然と佇んでいたものだ。
        木造の廃船に羽根を休める鷺がいまやって来たところか、これから飛び立とうとしているかは見る人に想像して貰う
        楽しさがある。
         この作品は2006年ニューヨークで開催されたニューヨーク芸術祭に出品し、約二百数十点の中から二十点が、
        芸大の三好二郎名誉教授により鑑定・推奨され、会場中央のメインスペースであるプレミアムゾーンに、鑑定書と、
        平和への私のメッセージとともに展示され、記念すべきものとなった。 
 
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